AIは誰の相談相手か
内面に入り込むAIの設計倫理
「悩み相談」に使う
3割未満
2026年5月、内閣府消費者委員会の調査が示した数字は、インターAI構想にとって重要な現実認識を迫るものだった。生成AIを「悩み相談」の目的で使うと答えた割合が10代女性で52.4%に上る一方、男性は全世代で3割未満だった。
これを単純に「女性はAIに頼りすぎ」「男性はドライ」と読んでしまうと本質を見失う。ここで見えているのはAI利用のジェンダー差よりも、AIという技術が「情報検索の道具」から「内面を受け止める対話相手」へと機能的に移行しつつある現実だ。しかもその移行は、制度や法律よりも早く、個人レベルで静かに起きている。
知人の女性たちの多くはチャットAIに愛称をつけたり、キャラクターを設定して多くのことを相談していると聞く。これを私は「テクノロジーが強化したイマジナリーフレンド」と呼びたい。従来のイマジナリーフレンドは本人の内面に閉じた存在だったが、チャットAIはそこに言語応答、記憶、擬似人格、即時性、無限の傾聴性を与える。単なる空想上の友達ではなく、外部化された「対話可能な内面補助装置」に近い。
一方で男性はAIを道具として使う傾向が強い。これは内閣府調査の結果とも一致する。相談行動の文化差、自己開示のしやすさ、擬人化への抵抗感──こうした傾向の違いは個人差を超えた構造的な問いを含んでいる。ただし「男性は相談しない」「女性は依存しやすい」という断定ではなく、AIを「人格」として受け入れる心理的距離の違いが出ている可能性として、仮説の段階で扱うべきだろう。
この現実がインターAIに突きつける三つの問い
インターAIが提唱すること
インターAIが提唱するのは、AIを生産性や自動化の道具としてだけでなく、人間の孤独、偏り、相談、社会参加、搾取耐性に関わる社会的インフラとして設計すべきという立場だ。ただしその目的は孤独や偏りを消すことではない。
孤独である自由、偏る自由、沈黙する自由を人間の権利として残したまま、詐欺、依存、搾取、破綻、加害へ至る兆候だけを静かに検知し、必要なときに本人の自己決定を支えることである。
- 内閣府消費者委員会「生成AI利用者の利用実態に関するアンケート結果(速報)」2026年3月31日
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/ai_technology/doc/002_260331_shiryou2.pdf - Age UK, "Older Men at the Margins: How Men Combat Loneliness in Later Life"
ageuk.org.uk - 関連対話:NON.×Claude, 2026-05-01 JST
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